はじめに

 

ほしのこども学舎は、福岡県にある小さなフリースクール/オルタナティブスクールです。

 

オルタナティブという言葉には「もう一つの選択肢」という意味があります。

 

ほしのこども学舎は、学校に通えなくなってしまった子どもたち、そして、あえて学校に通わないことを決めた子どもたちの「もう一つの選択肢」となるために作られました。

 

ほしのこども学舎は、「イエナプラン教育」というちょっと変わったコンセプトを取り入れた学校です。それは、私たちが想像する「学校」とはちょっと異なっているかもしれません。

 

学生時代、皆さんはどのような動機を持って学校生活を送っていましたか?ちなみに私は、次のような動機でした。

 遅刻せずに登校する  みんなそうしてるし、遅刻すると大人に怒られるから。

 おとなしく勉強する  みんなそうしてるし、勉強しないと成績が悪くなって大人に怒られるから。

 学校行事に参加する  みんなそうしてるし、マラソンやら合唱やらサボると大人に怒られるから。

 流行に乗る  みんなそうしてるし、流行に乗らないと友達ができないから。

 受験勉強を頑張る  みんなそうしてるし、良い学校に入らないと負け組になると思い込んでいたから。

私の場合、まず「怒られたくない」「仲間外れにされたくない」「負け組になりたくない」という「不安・恐怖」がベースにあって、そうしたネガティブな感情に駆り立てられながら学校生活を送ることが多かった気がします。

 

これは、他人が決めた規律や考え方に翻弄される「他人軸」の生き方です。

「子どもたちを、大人が決めた規律で縛りつけること、管理し統率すること、それは、子どもたちを規律正しくしているように見えて、実は命令されたことしかできない「無力」な存在にしてしまっているだけなのだ」
マリア・モンテッソーリ

私たちの多くは、小さな頃から盲目的に規律に従うことや、自然な気持ちを過度に抑圧して我慢することを学びます。

 

こうした「他人軸」の生き方を続けていくうち、人は自分を見失い、「自分は何が好きなのか」すらわからなくなります。

 

「個性」と呼ばれるその人だけの輝きは、過度な協調性や忍耐力と引き換えに、だんだんと失われていきます。

↑凹凸が多い子どもにはADHD等のラベリングがされることも

イエナプラン教育の学校では、「自分軸」の生き方が尊重されます。子どもたちは「不安や恐怖(〜しなければ…)」ではなく、「好きなことにわくわくする気持ち(〜したい!)」を動機にして学んだり遊んだりします。

 

そうして、その子だけの「個性」は、その輝きをぐんぐん増していきます。

「ほしのこども学舎」という名前には、一人一人の子どもたちに自分の個性(星)を輝かせてほしいという願いが込められています。

 

そして、ほしのこども学舎は、星ぼしが安心して集える温かな居場所でありたいと考えています。