4つの基本活動

ほしのこども学舎ではイエナプランのコンセプトに準じ、おうちのリビングのようなくつろげる空間で【対話】【遊び】【学び】【催し】の時間をリズミカルに過ごします。


 時間割

時間割は教科ごとに決められた時間で区切るのではなく、上記4つの基本活動がリズミカルに循環するよう組み立てます。

 

子どもたちのバイオリズムに合わせ、午前中はおやつタイムを挟んでの集中的な学び、眠くなりがちな午後は協働的・活動的な学びに充てています。

 

チャイムは使用せず、子どもたちは学びの始まりや終わりを「自分軸」で判断します。時間割も絶対ではなく、その時の子どもたちの情緒や体力、興味に合わせ、臨機応変に過ごし方を決めます。


サークル(対話)

 

大人も含めたみんなが輪を作り、自由な雰囲気の中で会話をしたり意見を交わし合います。

 

物事を対話により解決することを子どものうちから継続的に経験することで、人間に対する肯定的な感情や「自由の相互承認の感度("3つの大切なこと"を参照)」を育みます。


ブロックアワー(個別指導・個別学習/主に国語・算数)

 

個別学習の時間です。子どもたちはそれぞれ、週の初めに大人と相談してブロックアワーの学習内容を計画します。自学が基本ですが放任はせず、必要に応じ大人がレクチャーを行います。

 

探究学習や実生活上のツールとなる知識を身につけることや、「視考力」の養成を主な目的としており、国語・算数がブロックアワーにおける学習の中心となります。

 

ただし、子どもの興味や必要性に応じて学習対象は多分野に及びます。例えば一人で好きな絵を描いたり、好きな楽器の練習をすることも大切な学びです。

 

個別学習とはいえ、子どもたちは異年齢クラスの中で席を自由に移動し、緩やかな空気の中で仲間と知識を交換しあいながら相互的に成長します。

 

国語・算数の分野では、教科書や市販の教材を子どもたちの個性に合わせ組み合わせて使用します。基本的に学習指導要領に準拠した内容を学びの機会として網羅しますが、子どもの個性や学びのペースを乱さないことを最優先とします。


 協働学習:①探究学習(主に理科、社会)・②プロジェクト・③調理

 

複数の子どもたちが「協働で」学習します。自分だけでは成し得ないことを、みんなと協力して成し遂げることを学びます。

 

① 探究学習

 

「探究学習」では、子どもたちが自ら定めたテーマについて、自ら問いを立て、自ら問いを解決する手段を考え、最後に探究の成果をみんなで共有します(子どもたちだけでテーマ決めがうまくいかない時は、大人がサポートする形でテーマを設定します)。

 

便宜上「理科、社会」と上述していますが、その探究対象は子どもの興味に応じ多岐に及びます。

探究学習 テーマ例【肥料と虫食いの関係】

 身の回りの世界を観察する:みんなで森を探検して、植物を観察しよう!

 目に入るものについて、浮かんだ問いを言葉にする:なんで畑の作物は虫食いだらけなのに、森の雑草は虫に負けず元気なの?

その問いを解決できるような仮説をつくる:肥料をやると虫がわくのかも?

④ その仮説を検証する方法を考える:畑の作物を2つに分け、片方を肥料たっぷり、もう片方を無肥料で育ててみればわかるんじゃない?

⑤ その仮説が正しいか実験する:実際に試してみよう!

⑥ 実験から結論を導き出す:肥料たっぷりの方は虫食いだらけ。無肥料の方は小さいけど虫がつかないみたい!

⑦ 得られた結果をみんなと共有する:わかりやすく絵にしてみんなに教えよう!

⑧ 仮説を改善・修正・あるいは退ける:無肥料の方に虫がつかなかったのは偶然じゃない?今度はもっとたくさん植えてみよう!

この【観察→仮説→検証→フィードバック】の手順は、実は科学の思考プロセスそのものです。こうした思考を習慣づける中で、子どもたちは物事を自分の頭で考える、健全な批判精神を養います。

 

また、答えを「協働」で探究する経験を通じ、主観に依らない「客観的な」考えの大切さを学びます。

 

② プロジェクト

 

自分一人の力では成し得ない、ワクワクするようなプロジェクトをみんなで考え実行します。巨大な美術作品を作ったり、本物の雑貨屋さんを経営したり、自分たちだけの秘密基地を作ったり…発想は無限大です。

 

時にはたくさんの人を巻き込む必要があるため、子どもたちは自然と他者との利害調整の術を身に付けます。また、大きな夢を叶えるためにはみんなの力が不可欠であることを学びます。一大プロジェクトを成功させたとき、子どもたちは座学だけでは決して得られない大きな自信と知恵を得ることでしょう。

 

③ 調理

 

食事は身近な営みでありながら、協働の力を学ぶ絶好の機会です。お昼ごはんは、毎日数人の子どもたちが大人と協力して調理します(その日調理に参加しない子どもたちは、ブロックアワーの時間を過ごします)。

 

大人の力を借りつつも、献立や調理手順は子どもたちが主体となって考え、工夫します。調理には健康に配慮した食材や調味料、調理器具を使用し、体にも心にも優しい「ケの料理」を基本とします。


遊び

 

遊びは単なる息抜きの時間ではなく、自分の「好き」を能動的に楽しむ時間です。校内にはボードゲームやブロックなど、頭と手を使って楽しめるおもちゃコーナーや、金づちやのこぎりを使った木工遊びのスペース、好きな本をいっぱい読める図書室などが用意され、子どもたちは思い思いの時間を過ごします。

 

また、近隣には公共の体育館や公園があり、思いきり体を動かすことも出来ます(校外に出る時は必ず大人が同伴します)


催し

 

七夕やクリスマスなど、季節に応じた催しを子どもたちが自由に実施します(大人は基本的にフォローに徹します)。

 

その他、外部講師を招いての音楽や陶芸、美術教室などを実施します。子どもたちの興味が未知の分野に対しどのように反応するか、未知である以上私たちはおろか、子どもたち自身にもわかりません。したがって、まずは様々な面白いもの、美しいものに触れられる機会を作ります。